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70年前の公図ミスで土地失う 東京地裁、国に賠償命令

 70年以上前の公図作製ミスが原因で所有権を失った東京都の女性が国に約2800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で東京地裁は30日、登記の重複を知らせなかった責任を認め、国に800万円の支払いを命じた。

 判決によると、女性は2008年に千葉県大網白里市にある土地を相続した。ところが、1937年の官有地払い下げの際に土地の境界を画定する公図が誤って2つ作成され、片方では隣の土地との境界線が描かれていなかった。

 この公図に基づき、所有者が異なる2通りの登記がされていた。女性は所有権確認を求める訴訟を起こした。しかし、すでに他人が長年占有している状態だったため時効を理由に敗訴し、相続したはずの土地を失うことになった。

 30日の判決で、土田昭彦裁判長は「法務局の登記官は遅くとも89年には公図と登記の重複に気づいており、すぐに原告側に通知していれば時効で土地を失うことはなかった」と認定、国家賠償法上の責任を認めた。

 千葉地方法務局は「判決内容をよく見て対応を決めたい」としている。〔共同〕

 

70年前の公図ミスで土地失う 東京地裁、国に賠償命令 :日本経済新聞

 

 

水原弁護士が担当していた国家賠償請求訴訟(1審)が認容されました。

2015年02月10日

本件は、依頼者の被相続人が所有していた土地につき公図が重複していたところ、登記官が公図等の適正な管理を怠ってその重複を放置し、その後、登記官が、一方の公図のみを参照して誤った分筆登記を認めたため、重複登記が生じ、その登記を有効であると信じた者が占有を開始して本件土地を時効取得した結果、依頼者は、本件土地の所有権を失ったという事案です。

本件は、除斥期間等争点が多数ありましたが、裁判所は、「条理上、登記官は(権利登記まで進んだ)二重登記、二重公図を発見した場合、登記上の所有者に対して、登記及び公図が重複していることを通知する義務を負う。」と認定し、本件では登記官にかかる義務違反があるとして、国に責任があることを認めました。

本件二重登記が発生した原因は、二重公図によるものであり、この点で他の二重登記事案に比べてやや特殊なものといえます。
また、権利登記まで進んでしまった二重登記の処理について、裁判所は、条理を根拠に登記官に一定の通知義務を認めた点、画期的な判決であったと評価します。
(この点は、今まで全く議論がなされていませんでした。)


<なお、当事件は、1月31日付日本経済新聞等に取上げられました。>

 

水原弁護士が担当していた国家賠償請求訴訟(1審)が認容されました。|弁護士法人TNLAW